2026-05-10

事業承継・引継ぎ補助金とは?M&A費用を最大600万円補助【2026年版】

「後継者がいない」「M&Aで会社を譲渡したい」「事業承継を機に新しい取り組みをしたい」——そんな経営者に活用してほしいのが事業承継・引継ぎ補助金です。事業承継やM&Aにかかる費用を最大600万円補助する制度で、後継者問題に悩む中小企業にとって強力な支援策です。

この記事では、補助金の種類・補助額・申請方法を中小企業経営者向けにわかりやすく解説します。

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事業承継・引継ぎ補助金とは?3つの事業を整理

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業庁が実施する補助金で、事業承継やM&A(合併・買収)にかかるさまざまな費用を補助する制度です。大きく3つの事業に分かれており、自社の状況に合った事業を選んで申請します。

ℹ️この補助金のポイント

補助上限は最大600万円。事業承継・M&Aの際の新たな取り組み費用や専門家費用を補助してくれる。GビズIDが申請に必須。

3つの事業の概要

事業名対象となるケース補助上限(目安)補助率
経営革新事業事業承継を機に新事業・設備投資を行う600万円2/3
専門家活用事業M&Aの仲介・アドバイザリー費用600万円2/3
廃業・再チャレンジ事業廃業コストを補助して再起業を支援150万円2/3

※補助上限・補助率は公募回次により変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。


各事業の詳細

経営革新事業

事業承継・引継ぎを契機として、新製品・新サービスの開発、業態転換、設備投資など新たな取り組みを行う場合に補助されます。

補助対象となる費用例:

  • 新商品・サービス開発のための設備・システム費用
  • 店舗・工場の改装費用(業態転換の場合)
  • 新規販路開拓のための広告宣伝費・展示会出展費

⚠️「承継を契機とした」新取り組みが条件

既存事業の継続費用は対象外です。事業承継・引継ぎを機に「何か新しいことをする」費用であることが必要です。承継前から計画していた取り組みであっても、申請書で明確に記述することが重要です。

専門家活用事業

M&Aの実施に際して、仲介機関やアドバイザリーに支払う費用を補助します。M&Aには多額の専門家費用がかかるため、特に中小企業にとって使いやすい制度です。

補助対象となる費用例:

  • M&A仲介会社・FAへの手数料(着手金・成功報酬など)
  • デューデリジェンス(DD)費用
  • 弁護士・税理士への専門家報酬

廃業・再チャレンジ事業

事業を廃業して新たな事業に再チャレンジする経営者を支援する事業です。廃業にかかる費用を補助することで、次の一歩を踏み出しやすくします。

補助対象となる費用例:

  • 廃業手続きに必要な弁護士・税理士費用
  • 在庫・設備の処分費用
  • 原状回復工事費用

誰が申請できるか?

申請できる主な対象者

  • 経営革新事業・廃業再チャレンジ事業: 事業承継・引継ぎを行う予定または完了した中小企業・小規模事業者
  • 専門家活用事業: M&Aによる事業引継ぎを実施予定または完了した中小企業・小規模事業者(譲渡側・譲受側の両方が申請可能)

ℹ️承継前でも承継後でも申請できる

事業承継・引継ぎ補助金は、承継の「前後」どちらでも申請できるケースがあります(事業タイプや公募回次による)。早めに情報を確認しておきましょう。


申請の流れ:4つのステップ

事業承継・引継ぎ補助金 申請フロー(4ステップ)

ステップ1:GビズIDを取得する

申請はすべてオンライン(jGrants)で行うため、**GビズID(プライム)**の取得が必須です。取得に2〜3週間かかる場合があるため、早めに手続きしましょう。詳しい取得手順は「GビズIDの取得方法」をご参照ください。

ステップ2:公募要領を確認して申請事業を選ぶ

3つの事業のうち、自社の状況に合ったものを選びます。要件や対象経費が異なるため、公募要領を必ず読み込んでから申請準備を始めましょう。

ステップ3:申請書類を準備する

主な必要書類は以下の通りです。

  • 事業承継計画書または事業計画書
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)または確定申告書(個人事業主の場合)
  • 直近の決算書
  • 見積書(補助対象経費の)

専門家活用事業の場合は、M&A仲介会社との契約書・見積書なども必要です。

ステップ4:交付申請 → 採択後に事業実施 → 実績報告

採択通知(交付決定)を受けてから事業を実施します。交付決定前に着手した費用は補助対象外になるため、必ず順番を守ってください。事業完了後に実績報告を提出し、審査完了後に補助金が振り込まれます。


採択率を上げるポイント

1. 承継の必要性と新取り組みの関係を明確にする

「なぜ事業承継が必要で、承継後にどんな新しい取り組みをするのか」のストーリーが重要です。承継ありきではなく、経営課題 → 承継 → 解決策という論理構造を明確に書きましょう。

2. 専門家のサポートを活用する

事業承継・M&Aは税務・法務・財務など複数の専門領域にまたがります。税理士や中小企業診断士に申請書類の作成を依頼することで、採択率が大幅に向上します。

3. 承継後の事業の実現可能性を示す

「本当にこの計画を実行できるのか」という実現可能性の説明が重要です。承継後の経営体制・人員・設備なども含めて具体的に記載しましょう。

⚠️よくある失敗に注意

  • 交付決定前にM&A仲介費用を支払ってしまう(補助対象外になります)
  • 承継との関連性が薄い費用を申請してしまう
  • GビズIDの取得が間に合わず申請期限を逃す

事業承継・引継ぎ補助金でよくある失敗・落とし穴

事業承継・引継ぎ補助金は制度の仕組みが複雑なため、誤解による失敗が起きやすいです。代表的なミスを確認しておきましょう。

交付決定前にM&A仲介費用・着手金を支払ってしまう:最も多い失敗です。M&Aの着手金や仲介費用を交付決定前に支払うと、一切補助されません。採択通知を待ってから支払うことが鉄則です。

3つの事業の選択ミス:経営革新・専門家活用・廃業再チャレンジのどれに該当するか誤って申請すると、要件を満たさず不採択になります。公募要領を熟読し、専門家のアドバイスを受けながら選択しましょう。

承継との関連性が薄い費用を申請する:既存事業の継続費用は対象外です。あくまでも「事業承継・引継ぎを契機とした新しい取り組み」に関連する費用でなければ補助されません。

GビズIDの取得が締切に間に合わない:書類郵送方式では取得まで約2〜3週間かかります。承継の計画が固まり次第、すぐに取得手続きを始めてください。

採択後の実績報告書類の準備が遅れる:領収書・契約書・写真など実績報告に必要な書類は、事業実施と並行して整理しておかないと後で慌てることになります。


まとめ

事業承継・引継ぎ補助金は、後継者問題やM&Aに取り組む中小企業に非常に有効な制度です。

  • 3つの事業(経営革新・専門家活用・廃業再チャレンジ)から状況に合わせて選ぶ
  • 補助上限は最大600万円(目安)、補助率は2/3
  • GビズIDは早めに取得しておく
  • 交付決定前の費用支出は絶対NG
  • 税理士・専門家のサポートが採択率向上の近道

公募スケジュールや補助額の詳細は変更される場合があります。最新情報は公式サイト(事業承継・引継ぎ補助金公式サイト)を必ずご確認ください。


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