新事業進出・ものづくり商業サービス補助金|申請支援の費用・見積もりの確認点
申請支援を頼む前に、依頼する作業と報酬の条件を分けて確認しましょう。 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、外部の助言を受けられますが、事業計画の作成と申請は申請者自身が行います。申請書作成・提出の支援費用は補助対象外です。
本記事は、第1回公募への申請で有料支援を検討する事業者向けに、見積書・契約書の比較方法をまとめています。第1回は2026年10月30日(金)18:00(日本時間)まで受付中です。日程は公式スケジュール、制度の対象条件は第1回公募の対象・補助額ガイドで確認してください。
まず無料の相談で、頼みたい作業を整理する
よろず支援拠点は、国が設置した無料の経営相談所です。「新しい事業の計画をどう整理するか」「投資に見合う収益が見込めるか」といった相談から始められます。個別制度の条件や申請画面の疑問は本制度の公式サイトの「お問い合わせ」へ確認しましょう。
相談前に、自社の事業の概要、今回の投資目的、計画案、困っている箇所をまとめます。そのうえで、必要な助言と自社で進められる作業を切り分けると、支援一式の契約が本当に必要か判断しやすくなります。無料の相談窓口が、計画の作成や申請の代行まで引き受けるわけではありません。
「申請代行」という名称でも、丸投げはできない
公式の外部支援者向け注意事項は、助言を受けて計画を改善することを認める一方、申請者以外による事業計画の作成を認めていません。違反が判明すると、不採択や採択・交付決定の取消しにつながります。
見積もりを依頼するときは、「どこまで代行してくれるか」ではなく、次の役割分担を確認してください。
| 作業 | 自社で担うこと・依頼時に確認すること |
|---|---|
| 事業計画 | 自社が作成し、数字や取組の根拠を説明できるようにする。支援者には論点整理や改善の助言を求める |
| 申請内容の点検 | 必要書類や入力値の整合を確認する支援の範囲、修正対応の回数・期限を確かめる |
| 電子申請 | 自社が専用システムで申請する。GビズID・パスワードを第三者へ渡さない |
| 採択後 | 交付申請、実績報告等のどの段階まで助言を受けられるか、追加料金とともに確認する |
第1回公募要領1.3版「2-2. 申請の方法」では、支援を受けた場合、すべての事業計画作成支援者について、名称・支援内容・報酬の予定額・契約期間などの入力を求めています。「名前を記載しなくてよい」と言われても従わず、実態に沿って申告してください。
申請先はjGrantsの共通画面ではなく、本制度専用の電子申請システムです。認定支援機関への相談と、金融機関から資金提供を受ける場合の確認書は別の話です。確認書の条件は確認書・認定支援機関への相談ガイドに整理しています。
費用は「相場」より、同じ条件の総額で比べる
料金は依頼先と支援範囲によって異なります。着手金や報酬率だけで決めず、少なくとも次の項目を書面にそろえて比較しましょう。「着手金なし」でも、途中解約や追加作業などで費用が発生するかを確認する必要があります。
| 確認項目 | 見積書・契約書で明らかにしたいこと |
|---|---|
| 着手金・固定料金 | 何の作業に対する料金か。不採択・申請断念・途中解約時に返金されるか |
| 成功報酬の基準額 | 申請額、採択時の額、交付決定額、確定額、実際の受給額のどれを使うか |
| 報酬率と上下限 | 率だけでなく、最低報酬・上限・固定料金との重複を含めた総額 |
| 請求の時点 | 採択、交付決定、補助金入金のどの段階か。分割払いの有無 |
| 減額・取消し・辞退 | 補助金が減額・取消しになった場合や辞退時に、報酬を再計算するか |
| 追加料金 | 修正、面談、旅費、交付申請、実績報告、再申請等の範囲と単価 |
| 契約期間と担当者 | いつまで、誰が、どの方法で対応するか。連絡や回答の期限 |
| 税・支払条件 | 税込総額、支払期限、解約条件、成果物や資料の返却・保管の扱い |
採択された額と実際に受け取る額は同じとは限りません。 公募要領の「重要:注意事項」では、採択後の経費審査で減額や全額対象外になる場合も示されています。採択時に報酬が発生する契約なら、補助金が入る前の支払資金を用意できるかも確認してください。
報酬の計算基準が違うとどうなるか
次は比較方法を示す仮の計算例であり、実際の相場や推奨料金ではありません。
- 着手金20万円、成功報酬10%、報酬の基準額1,000万円なら、支援費用は税抜120万円
- 後に受給額が800万円となっても、契約が基準額を1,000万円に固定していれば、報酬が自動的に下がるとは限らない
- 実際の受給額800万円を基準として再計算する契約なら、同じ率・着手金では税抜100万円
差が生じるのは「何%か」だけでなく、基準額と減額時の取扱いが違うためです。消費税、追加料金、支払いの時期を別に確認し、補助金の自己負担分と支援費を合わせた資金計画にしてください。
申請支援費と、対象になり得る専門家経費を分ける
申請準備にかかった費用を、採択後にまとめて「専門家経費」として計上することはできません。
公募要領1.3版の専門家経費・補助対象外経費のp.30では、事業計画書の作成支援者に対する経費を専門家経費の対象外としています。またp.32〜33では、事務局に提出する書類の作成・提出費用や、申請者自身が行うべき手続きの代行費を補助対象外としています。
一方、補助事業の実施に必要な専門家への依頼には、専門家経費の区分があります。ただし、依頼先の条件、支援内容、金額上限等の要件を満たす必要があり、交付決定前の発注・契約は対象外です。申請支援費の名目を技術指導料などへ変更すれば対象になる、という意味ではありません。 同じ依頼先に複数の業務を頼む場合も、対象外となる条件を要領で確認し、判断できない点は事務局へ照会してください。
面談では「担当者が何をするか」を確かめる
候補先には、同じ計画概要と依頼したい作業を示し、次の質問をしてみましょう。
- 今回の公募回・申請枠について、計画のどの点に助言できるか
- 数値の根拠や賃上げ等の目標を、自社で検討するためにどんな支援をするか
- 契約に含まれる成果物・相談回数と、含まれない作業は何か
- 支援者情報の申告に必要な名称・報酬予定額・契約期間を示せるか
- 期限までに間に合わない場合や不採択の場合、費用と作業はどう扱うか
公式FAQのQ57では、認定支援機関等の利用は必須ではないと案内されています。認定支援機関を探す場合は、公式案内の検索システムから確認できます。認定の有無や過去の実績だけで、自社の採択や支援品質が保証されるわけではありません。実績を確認するときは、制度名・公募回・担当者の役割を分けて聞きましょう。
公式は、不透明な契約、サービス内容とかけ離れた高額報酬、経費の水増し、支援者名の不記載を求める行為などに注意を促しています。一定の報酬率を超えたという理由だけで悪質と決めつけず、支援内容と条件を確認してください。採択保証を契約判断の根拠にしないことも大切です。
よくある質問
申請支援費は補助対象になりますか?
事業計画書の作成支援や、事務局に提出する書類の作成・提出に係る費用は対象外です。補助事業の実施に必要な専門家経費とは区別し、自己負担として資金を用意してください。
着手金がなければ、不採択時の費用もゼロですか?
契約によります。固定料金、追加作業、途中解約、申請断念時の取扱いまで確認し、どの場合にいくら発生するかを書面で示してもらいましょう。
支援者にGビズIDを渡して申請してもらえますか?
公募要領は、申請者自身の申請を求め、GビズID・パスワードの第三者への開示を禁じています。助言を受けても、自社が申請内容を理解し、専用システムで提出してください。
申請に向けた次の確認
見積もりを比較したら、必要な支援だけを選び、自社の担当者と提出までの作業を決めます。第1回公募の必要書類ガイドで最新様式と条件別書類を確認し、公式の申請ステップに沿って提出後の「審査中」表示まで確認してください。
公式情報確認日:2026年10月11日(日本時間)。 公募要領1.3版、公式日程・支援者案内を確認しました。最新の公募要領・手引きは資料ダウンロードを参照してください。
訂正(2026年10月11日): 以前掲載した8月31日〜9月30日の受付日程とjGrantsでの申請案内を訂正しました。根拠を確認できない費用相場・作業時間・採択率向上の断定を撤回し、自己申請の原則と契約条件の確認方法に改めています。
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