補助金は複数同時に申請できる?重複受給・併用のルール【2026年版】

著者: 補助金ナビ編集部最終更新日: 2026-08-08出典: jGrants(デジタル庁)・各補助金公式サイト

「ものづくり補助金とIT導入補助金は同時に申請できる?」「複数の補助金を受けたら全額もらえるの?」——これは補助金申請の相談で最も多く聞かれる質問のひとつです。

結論から言うと、補助金の複数同時申請は原則として可能ですが、「同一経費への重複充当」は禁止されており、制度ごとに独自の制限があります。この記事では、複数申請・重複受給の基本ルールと、よくある失敗パターン、安全な組み合わせ方を解説します。

ℹ️この記事でわかること

  • 補助金の複数同時申請が可能かどうかの基本ルール
  • 「同一経費への重複充当」とはなにか
  • 主要補助金ごとの重複制限・例外
  • 複数申請で失敗しないための確認ポイント

補助金の複数同時申請は原則「可能」

日本の補助金制度には「1社が受け取れる補助金の数を制限する」という統一ルールはありません。つまり、ものづくり補助金・省力化補助金・デジタルAI導入補助金をそれぞれ別々に申請すること自体は可能です。

ただし、以下の2つの大原則があります。

原則①:同一経費への重複充当は禁止

複数の補助金を受給する場合でも、同一の設備・ソフトウェア・工事費などに対して複数の補助金を同時に充てることは認められていません

たとえば:

  • 生産設備(500万円)をものづくり補助金で申請した場合、同じ500万円を省力化補助金にも計上することはできない
  • クラウドサービス(200万円)をデジタルAI導入補助金で申請済みの場合、同じ費用を別制度に重ねて申請できない

これを「同一経費への重複充当」または「補助金の重複受給」と呼び、発覚した場合は採択取り消し・補助金の返還を求められます。

原則②:制度ごとに追加の制限がある

各補助金の公募要領には、個別の重複制限が定められています。「他の国の補助金を受けている場合は申請不可」「同次で同一制度に複数申請不可」など、制度ごとに異なるため、必ず最新の公募要領を確認してください。

⚠️公募要領の確認が最重要

重複申請のルールは制度改訂のたびに変わる場合があります。以下の解説はあくまで一般的な傾向です。申請前に必ず各制度の最新公募要領または事務局の問い合わせ窓口で確認してください。


主要補助金の重複制限:制度別まとめ

補助金名他制度との同時申請同一経費の重複特記事項
ものづくり補助金原則可禁止同一事業内容での重複申請は不可
省力化投資補助金原則可禁止カタログ型の設備は他補助金と区分必須
デジタルAI導入補助金原則可禁止IT支援事業者経由のため経費の分離が容易
小規模持続化補助金原則可禁止持続化と同時に受給する場合は様式要確認
事業再構築補助金制限あり禁止同一補助事業期間中は経費の区分が必要

ものづくり補助金

ものづくり補助金は機械設備・システム構築などが補助対象です。省力化補助金やデジタルAI補助金と補助対象経費が重なりやすいため注意が必要です。

  • 機械装置をものづくり補助金で計上した場合、同じ機械装置を省力化補助金に計上するのは禁止
  • 事業計画が異なれば、別の設備について別制度に同時申請することは可能

省力化投資補助金(カタログ型)

省力化補助金は製品カタログから設備を選ぶカタログ型の制度です。カタログ掲載製品について、同じ製品を他補助金で二重申請することは認められません。別の設備を別制度で申請する場合は問題ありません。

デジタルAI導入補助金

デジタルAI導入補助金(旧IT導入補助金)はソフトウェア・SaaSが主な補助対象です。ものづくり補助金(ハードウェア中心)と補助対象が異なるケースが多いため、経費を明確に分けられれば両方申請できる場合があります。

ℹ️経費の区分が鍵

「AのソフトウェアはデジタルAI補助金」「Bの機械装置はものづくり補助金」のように経費を明確に区分できれば、同時申請・同時受給が可能です。ただし、会計上も補助金ごとに経費を分別管理する義務があります。


独自考察:複数申請で実際に起きる失敗パターン

補助金の相談現場では、以下の3つのパターンがよく問題になります。

パターン①:同じ経費を2制度に計上してしまう

事業計画作成を急ぐあまり、同じPCや設備を複数の補助金の補助対象経費に記入してしまうケースです。審査段階では見抜かれないことがありますが、実績報告や会計監査の段階で発覚し、補助金の全額返還を求められることがあります。

対策:経費ごとに「どの補助金で申請するか」を一覧表で管理する。

パターン②:同一次公募への複数申請

1つの制度に同じ公募回で複数の申請を提出する行為は、ほぼすべての制度で禁止されています。事業計画を複数パターン用意して「いずれかが通れば」という発想での申請は認められません。

パターン③:採択後の重複申請通知漏れ

ある補助金に採択された後に別制度へ申請する際、「現在受給中の補助金」の情報を申告しなかった場合、事後的に要件違反とみなされることがあります。申請書に「他に受給している補助金」を記載する欄がある場合は必ず正確に記入してください。


安全に複数補助金を活用するための確認ポイント

複数の補助金を組み合わせて活用するために、申請前に以下を確認してください。

チェックリスト

  • 各制度の公募要領で「他の補助金との重複」に関する条項を読んだか
  • 補助対象経費の一覧を作り、制度ごとに経費を重複なく割り振れているか
  • 同時申請する場合に、両方の審査期間・採択発表時期を確認したか
  • 採択後の実績報告で、補助金ごとに経費を区分できる会計管理体制があるか
  • 不明点は各補助金の事務局(または認定支援機関)に問い合わせたか

推奨:認定支援機関への相談

複数補助金の組み合わせは専門的な判断を要します。中小企業診断士・税理士・金融機関などの認定支援機関に相談することで、最適な組み合わせを提案してもらえます。ものづくり補助金・事業再構築補助金は申請書類の作成に認定支援機関の確認書が必要なケースもあるため、早めに相談窓口を確保してください。


よくある質問

省力化補助金とものづくり補助金は同時申請できますか?

別々の設備・経費について申請するなら可能です。同一の設備に両制度の補助金を充てることは禁止されています。申請前に各制度の公募要領で確認してください。

IT導入補助金(デジタルAI補助金)ともの補助は同時に申請できますか?

補助対象経費が異なれば(ソフトウェアとハードウェアを別々に計上する等)、同時申請は可能です。ただし、両制度の補助対象経費が重ならないよう、経費の一覧表で管理することが必要です。

採択中の補助金がある状態で新たな補助金に申請できますか?

制度によります。採択中・実施中の補助金がある場合は、新たに申請する補助金の申請書に「受給中の補助金」を記載する義務があります。一部の制度では、採択中の補助金と同一の設備・目的への申請を制限しています。必ず新しい補助金の公募要領を確認してください。

個人事業主でも複数の補助金を同時申請できますか?

個人事業主も法人と同様に、補助対象経費が重複しない範囲で複数申請は可能です。ただし、給付条件・経費管理・確定申告への影響など、法人とは異なる注意点があります。認定支援機関や税理士への相談を推奨します。

重複申請が発覚した場合はどうなりますか?

補助金の交付決定取り消し・補助金の全額返還が求められます。悪質な場合は制度への申請禁止措置が取られることもあります。申請前の確認を徹底することが最大のリスク対策です。


まとめ

  • 補助金の複数同時申請は原則可能だが、同一経費への重複充当は禁止
  • 各制度の公募要領には独自の重複制限があるため、必ず個別確認が必要
  • 経費一覧を作成し、制度ごとに補助対象を明確に区分することが安全な活用の鍵
  • 不明点は各制度の事務局や認定支援機関に必ず確認する

本サイトでは、補助金の最新情報をjGrantsの公式データをもとに提供しています。データの取得方法・更新頻度については本サイトのデータについてをご覧ください。

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