2026-06-18

エイジフレンドリー補助金【2026年版】3コース・申請方法・対象設備を徹底解説

60歳以上の高年齢労働者が働く職場で、転倒防止・熱中症対策・腰痛予防の設備を導入したい——そんな中小企業の経営者に知ってほしいのが「エイジフレンドリー補助金」です。

厚生労働省が所管するこの補助金は、2026年度(令和8年度)に予算が前年比約25%増の9.5億円に拡充され、制度内容も大きく刷新されました。最大補助額100万円(補助率最大4/5)で、転倒防止装置・アシストスーツ・スポットクーラーなど幅広い設備が対象です。この記事では、令和8年度の変更点・3コースの詳細・申請手順を徹底解説します。

ℹ️令和8年度(2026年度)申請受付期間

2026年5月20日(水)〜10月31日(土)まで受付中(予算終了次第締切)。申請から交付決定まで約2ヶ月かかるため、早めの申請を推奨します。最新情報は厚生労働省公式サイトでご確認ください。

エイジフレンドリー補助金とは?

エイジフレンドリー補助金(正式名称:高年齢労働者の安全衛生確保対策補助金)は、60歳以上の高年齢労働者が安全・安心に働き続けられる職場環境の整備を支援する、厚生労働省の補助金制度です。2020年度に創設され、毎年度拡充されています。

「エイジフレンドリー(Age-Friendly)」とは「高齢者に優しい・年齢に配慮した」という意味。加齢に伴う筋力低下・バランス感覚の低下・熱中症リスクの増大に対応した設備導入や専門家による指導の費用を補助します。

2024年の休業4日以上の労災死傷者のうち60歳以上が全体の3割超を占めており、2026年4月1日には改正労働安全衛生法が施行され、高年齢労働者の労働災害防止措置が事業者の努力義務となっています。

令和8年度の基本概要

項目内容
補助率コースにより1/2・3/4・4/5
補助上限額専門家総合対策コース・熱中症対策コース:100万円 / コラボヘルスコース:30万円
対象事業者労災保険加入の中小企業事業者(事業開始1年以上・60歳以上の労働者を1名以上雇用)
予算額9.5億円(前年度比約25%増)
申請受付期間2026年5月20日〜10月31日(予算終了次第締切)
申請方法郵送 または Jグランツ(電子申請)
申請回数1年度につき1回・複数コースの併用不可
主管厚生労働省・(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会

令和8年度の主な変更点は?

令和8年度は制度が大きく再編されました。従来4コースあったものが3コースに統合・整理されています。

【コース変更の対応表】

令和7年度(旧)令和8年度(新)
総合対策コース専門家総合対策コース(3コースを統合・2段階構造に)
職場環境改善コース
転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース
職場環境改善コース(熱中症予防対策プラン)熱中症対策コース(独立コースに格上げ)
コラボヘルスコースコラボヘルスコース(継続)

また、令和8年度からJグランツ(電子申請)が利用可能になりました。郵送申請と並行して電子申請を選べます。

⚠️複数コースの併用申請は不可

令和8年度は「専門家総合対策コース」「熱中症対策コース」「コラボヘルスコース」の3コースのうち、1年度につき1コースしか申請できません。どのコースを選ぶかを事前に検討してください。

3つのコースを比較する

①専門家総合対策コース(職場環境改善・運動指導)

令和7年度の「総合対策・職場環境改善・運動指導」3コースを統合した新設コースです。**第1段階(リスクアセスメント)→第2段階(対策実施)**の2段階構造となっています。

第1段階A:リスクアセスメント(補助率4/5、上限100万円)

  • 労働安全衛生の外部専門家による高年齢労働者向けリスクアセスメントの実施費用
  • 申請期限:令和8年8月31日(随時審査)
  • 自社の安全衛生担当者(安全管理者・衛生管理者等)が代わりに実施し、第2段階から直接申請することも可能

第2段階B:職場環境改善(補助率1/2、上限100万円)

  • リスクアセスメント結果を踏まえた設備・装置の導入
  • 対象設備例:段差解消・防滑床材、手すり設置、アシストスーツ、重量物搬送機器・リフト、移乗・入浴介助機器、車両への踏み間違い防止装置 等

第2段階C:運動指導等(補助率1/2、上限100万円)

  • 理学療法士・健康運動指導士等による転倒防止・腰痛予防のための運動指導
  • 身体機能チェック→運動指導→効果確認チェックの一連実施(対面のみ、物品購入不可)

②熱中症対策コース(補助率1/2、上限100万円)

令和8年度から独立コースとして格上げされた、60歳以上の労働者が働く職場の熱中症対策設備導入を支援するコースです。

補助対象となる主な熱中症対策設備:

  • 移動式スポットクーラー(熱排気を屋外等へ逃がせるもの・標準使用期間5年以上)
  • ウエアラブルデバイスによる健康管理システム(深部体温推定機能付き)

ℹ️空調服・固定式エアコンについて

空調服(体温を下げる機能のある服)は補助対象として位置づけられています。固定式エアコンの設置については公式リーフレットに明示がないため、事務センター((一社)日本労働安全衛生コンサルタント会)に確認することをおすすめします。

③コラボヘルスコース(上限30万円)

健保組合・協会けんぽ等と連携した「コラボヘルス」の取り組みを支援するコースです。上限額が他の2コースより低い(30万円)ため、健康診断データの活用・運動プログラム等を実施したい事業者向けです。

申請手順(ステップガイド)

申請から交付決定まで約2ヶ月かかります。設備購入は必ず交付決定後に行ってください。

Step1:コース選定・事前準備 申請するコースを1つ選定し、公式リーフレット・Q&Aを確認する。設備の見積もりを取得しておく(交付決定前の発注・購入は補助対象外)。

Step2:申請書類の準備

  • 申請書(様式第1号)
  • 事業計画書(様式第2号)
  • 労働保険番号がわかる書類
  • 60歳以上の労働者が在籍することが確認できる書類 等

専門家総合対策コース・熱中症対策コースはGビズIDを利用してJグランツ(電子申請)でも申請可能です(→GビズID取得方法はこちら)。

Step3:申請(郵送 or Jグランツ)

  • 郵送:(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会 エイジフレンドリー補助金事務センター宛
  • 電子申請:Jグランツ(gBizID必須)

Step4:交付決定の受領(約2ヶ月後) 交付決定通知を受け取ってから、対象取組・設備の発注・購入・契約を開始する。

Step5:取組実施・支払い 取組を完了し、代金を支払う(前払いは補助対象外)。

Step6:支払請求書の提出 支払請求書受付期限:令和9年1月31日(当日消印有効)までに提出。

採択率を上げるコツ・よくある落とし穴

よくある失敗①:交付決定前に設備購入してしまう

最も多い失敗です。「申請中だから早く設備を導入したい」と思っても、交付決定日より前に発注・契約・購入した経費は一切補助対象外になります。必ず交付決定通知を受け取ってから動き始めてください。

よくある失敗②:複数コースを申請しようとする

令和8年度は1年度1コースのみ。「専門家総合対策コースで設備導入しつつ熱中症対策コースでスポットクーラーも」という申請は認められません。どのコースで申請するか慎重に選定しましょう。

よくある失敗③:予算終了で申請できなかった

本補助金は予算額(9.5億円)に達した段階で、受付期間中でも申請受付が終了します。早い月の締切で申請するほど採択の可能性が高まります。

採択率向上のポイント

申請書では「60歳以上の労働者が実際にどのような労働災害リスクを抱えているか」を具体的な数字(転倒件数、労災記録等)で示すと審査員の評価が上がります。補助金申請全般のコツはこちらの記事も参考にしてください。

対象事業者の要件チェックリスト

以下をすべて満たす中小企業事業者が対象です。

  • 労働者災害補償保険(労災保険)に加入している
  • 事業を1年以上継続して実施している
  • 60歳以上の労働者を1名以上雇用している
  • 申請年度に同補助金を申請・受給していない

⚠️みなし大企業・大企業の子会社は対象外

資本金・常時雇用する労働者数が中小企業基本法の定義を超える事業者(みなし大企業含む)は対象外です。大企業の子会社で出資比率が高い場合は事前に確認が必要です。

まとめ

  • エイジフレンドリー補助金は60歳以上の高年齢労働者の安全確保を支援する厚生労働省の補助金
  • 令和8年度の補助上限は最大100万円(補助率最大4/5)
  • 3コース(専門家総合対策・熱中症対策・コラボヘルス)から1つを選択して申請
  • 申請受付は2026年5月20日〜10月31日(予算終了次第締切のため早めに)
  • 設備購入は必ず交付決定後に行うこと

他の補助金との組み合わせや、補助金申請全般のご相談は専門家への依頼も有効です。

関連記事:補助金と助成金の違いとは?使い分けガイド / 補助金採択率を上げる方法


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